パーキンソン病および同様の状態のための言語療法
LSVT LOUD
1.パーキンソン病の音声とLSVT LOUD
パーキンソン病の音声の問題
小声、かすれ声、単調、つぶやくような話し方、早口になっていく
自分では普通に話しているつもり
パーキンソン病は徐々に進行していくため、声が小さくなった自覚がない
9割の患者に出現
パーキンソン病の音声・構音障害は9割の患者に出現する
コミュニケーションの障害
音声の問題が進行すると、家族にさえ何度も聞き返され、コミュニケーションがとりにくくなります
LSVT LOUDとは
パーキンソン病やその他の神経疾患患者に効果的な発声療法です
発声発語明瞭度の改善目的の訓練法
声の大きさのトレーニングと自分の声の認識を再調整することで伝わりやすい声の大きさを学習します
LSVTのエビデンス
ST領域で初めて、訓練効果に関するエビデンスが臨床研究では最高の”レベルⅠ”と認められた手法
効果の期間
パーキンソン病患者の発話時の音量の改善とピッチの変化の増加が、治療後少なくとも2年間維持されることが実証されています
2.LSVT LOUD訓練の説明
LSVT LOUDは1ヶ月以上かけて行われる1対1の集中訓練です。
・1回の訓練時間は1時間
・4日間連続の訓練を4週間、合計16回実施
・30日間毎日の宿題(訓練がない日は1日2回の宿題)
*③LSVT LOUDの目安の目標とスケジュールの例を参照
LSVT LOUDの目標は個人が日々の練習で強い声を「活性化」し、日常のコミュニケーションで快適に使用できるようにすることです。さらにこれは、16回の訓練が完了した後でも、生涯にわたる習慣として欲しいのです。
治療の焦点は「大きな声で話す!」。しかし叫ぶことではありません。友人や家族にとって普通に聞こえる音量で力みなく使用できる声の訓練を手伝います。
LSVT LOUD認定の言語聴覚士と協力することで、専門的なスキルとトレーニングにより、健康的な方法で声を改善することができます。
3.LSVT LOUDの目安の目標とスケジュールの例
1週目~
・自分の声量を自覚できる
・STの指示のもと、自主訓練ができる
2週目~
・STの声掛けで大きな声で話せる
・STの少しの介入で自主訓練ができる
3週目~
・リハビリ場面で自発的に大きな声で話せる
・STの確認のみで自主訓練が行える
4週目~
・生活場面において自発的に大きな声で話せる
・一人で自主訓練が行える

4.料金とご利用までの流れ
当院は外来リハを行っていません。
STが訪問して自宅で訓練を行う訪問リハビリです(訪問範囲は、茅ヶ崎全域、寒川全域、藤沢の一部、平塚の一部、大磯町の一部)。そのため、使える保険は介護保険のみです。それ以外は10割負担か自費の訓練になります。
介護保険を持っている
<料金>
60分の訓練は1割負担で994円です。
単位数超過の場合は、超過分だけ10割負担です。その場合の60分の訓練は10割負担で9,938円です。
<介護保険のご利用について留意事項>
◎ケアマネージャーにケアプランを作成していただきます。
◎契約、主治医の許可と当院の診察が必要です。
◎週120分まで介護保険のリハビリを利用できます。
◎退院(所)後3か月以内の人は週240分を介護保険で利用できます。
◎月をまたいでのご利用は可能です。
◎特定疾患受給者証の限度額認定証で決められた上限額の適用は、介護保険利用の範囲です。
介護保険を持っていない
または40歳以下
訪問リハでは特別な場合を除き医療保険が利用できません。自費でのご利用になります。
1回11,000円(税込)
合計176,000円(税込)
ご利用を希望される際は、一度お電話もしくはメールでご相談ください。

問い合わせ
おひさまクリニック湘南
言語聴覚士 日景朱美
クリニック電話番号
0467-55-2515
訪問リハビリ メールアドレス
info-reha-shonan@zaitaku-clinic.net
ホームページ
https://ohisamakai.net/reha_shonan.html
LSVT LOUD相談票
*印刷してお使いください
5.ご利用条件
①週4回(連続)×4週間+初期・最終評価の2回の合計18回のリハビリが可能であること
②症状が安定していること(服薬の調整ができている方)
③リハビリや自主トレーニングに意欲的であること
④医師の判断により、LSVTによる改善が見込めること
⑤声掛けのもと、動作や声量の大きさに変化が生じること
⑥Hoehn&Yahr1-3程度。状態によってはHoehn&Yahr4の方も対応可能です。
Q&A
Q1.LSVT LOUDを始める最適な時期はいつですか
症状の初期または中期の人々にとって最も効果的であることがわかっています。パーキンソン病の人は、自分の声、発話、コミュニケーションの初期の変化をあまり自覚していない可能性があります。パーキンソン病と診断された場合は、家族や友人に声の大きさ、声質、日常のコミュニケーションの変化に気づいたかどうかも尋ねることをお勧めします。
Q2.60分も声を出し続けられる自信がありません。お試しはできますか?
週1-2回の訪問リハビリでLSVT LOUDを試すことが可能です。
Q3.もし途中で止めたくなったらどうしたらいいですか?
もちろん中止は可能です。その場合、終了した訓練回数のみを請求をさせていただきます。
Q4.体調不良や用事で4日間連続のLSVT LOUDを受けられないときは?
1,2日程度のお休みは声の再評価をして、問題なければ訓練を継続します。もし声が元に戻ってしまっていたら、初回からやり直すことを検討します。